ここのところ雨の日が多いものの、秋らしい気候になってきました。
8月は夏休みでしたので、しばらくぶりの「栞の会」です。

今月は、新しいメンバー(M.Sさま)も加わり、今までにない本が紹介されました。
新しい方に参加していただくと、「栞の会」も新鮮な風が吹きますね。

本所おけら長屋(十五) (PHP文芸文庫)
畠山 健二
PHP研究所
2020-09-25
紹介者:T.Yさん


方向音痴って、なおるんですか?
吉玉サキ
交通新聞社
2021-05-21
紹介者:T.Yさん


女帝 小池百合子 (文春e-book)
石井 妙子
文藝春秋
2020-05-29
紹介者:T.Yさん


紹介者:T.Yさん


万事オーライ 別府温泉を日本一にした男
植松 三十里
PHP研究所
2021-08-20
紹介者:T.Yさん


紹介者:Y.Oさん

三島屋伊兵衛は傷ついた姪おちかの心を癒やすため語り捨ての百物語を始めます。

「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」の回が進むうち、
聞き手のおちかの心は徐々に癒やされ、また人としても成長して行きます。

語られるのは「あやし、あやかし」のお話しで、
そこには人間の悲しみ、欲望、情念や怨念、そして優しさが深く関わっています。

私は今回、幼くして毒殺されたあるお城のお世継ぎ「一国いっこく」様の霊が出てくる「だんまり姫」というお話にちょっと涙しました。

漁村の娘おせいは、人ならぬ者を呼び寄せてしまう「もんも声」の持ち主であることから、
声を発せず、自ら編み出した手話で人とのコミュニケーションをとっていました。
その事から、生まれてから一度も声を出せずにいる当代城主のお姫様の守役としてお城に奉公します。そこで出会ったのが一国様の霊でした。

その毒殺には驚くべき悲しい事実が隠されていて、
その為に一国様は今も成仏できずお城に囚われているのです。
おせいはなんとかして一国様をお城から解き放そうと心くだきます。
幼いながらも国を思い、民を思う立派な城主の心映えに涙を誘われました。



紹介者:Y.Oさん


栞の会で「努力を積み重ねる事で道を切り開ける」お話しと説明しましたが、
そこに付け加えたいと思います。

サッカーに打ち込んでいた小6の俊介は突然サッカーを止め、
日本最難関の中学を受験したいと両親に話します。
家計も苦しい中、両親は息子の夢を応援する決意をします。

俊介には、高卒の父、難聴の妹、満足な教育を受けられず育った母への思い、
学歴社会で繰り返される負の連鎖を断ち切り運命を切り開きたいとい強い決意がありました。

過酷な受験勉強の甲斐なく俊介は不合格でしたが、
へこたれず、柔軟に新たな目標を定め、また、そこへ向かって行きます。
その姿に金の角が見えるのです。

そして、そんな俊介の行動に、家族もまた、新たな道を模索し、動き始めます。



紹介者:Y.Oさん


まんまこと (文春文庫)
畠中 恵
文藝春秋
2019-11-27
紹介者:Y.Oさん


不機嫌のトリセツ (河出新書)
黒川伊保子
河出書房新社
2021-04-13
紹介者:M.Kさん


紹介者:M.Kさん


紹介者:M.Kさん


推し、燃ゆ
宇佐見りん
河出書房新社
2020-09-10
紹介者:H.Yさん


魯肉飯のさえずり (単行本)
温 又柔
中央公論新社
2020-08-20
紹介者:H.Yさん


紹介者:A.Oさん

この本は村上春樹さんによる紀行文集です。
旅行や仕事で訪れたり、かつて住んだことのある土地だったり、
著者にとって思い出深い街の風景、自然、歴史、文化、食、人、光や風など
その魅力を余すところなく伝えてくれます。
それぞれの街にそこにしかない味わいがあり、
それを描写する著者の文章も極上です。
私は村上春樹さんの小説はほとんど読んだことがないのですが、
この本のあとがきによると1980年代から2000年代にかけて
紀行文的な海外滞在記のような本を続けて出していた時があるそうです。ま
ずは村上文学の入門として読みやすそうなものから読んでみるのも良いのかなと思いました。


ぼく モグラ キツネ 馬
チャーリー・マッケジー
飛鳥新社
2021-03-18
紹介者:M.Sさん


 伸びやかなタッチの絵と手書き風の文字がとてもステキです。
著者はイギリスの作家で、もともとはイラストレーターとのこと。
一人ぼっちの男の子が、モグラ、キツネ、馬と出会って合流しながら、会話をしていきます。
「くまのプーさん」、「星の王子さま」を思い出しました。
男の子とモグラの会話・・・
その1.”いちばんの時間のむだって、なんだとおもう?”
    ぼくがたずねると、モグラはこたえる。
    ”じぶんをだれかとくらべることだね”
その2.”おとしよりのモグラはきまっていうよ。こわがらずに、夢をおえばよかったって”
その3.”なにかがおきたときにどうふるまうかそれこそが、
    オイラたちにあたえられているさいこうのじゆうってもんさ”

ザリガニの鳴くところ
ディーリア・オーエンズ
早川書房
2020-03-05
紹介者:M.Sさん


友人が「面白いよ」と貸してくれた本、ことしの本屋大賞翻訳小説部門も受賞しています。 著者は動物学、動物行動学の女性研究者で自然保護活動家。

これまでフィールドワークを記したノンフィクションや学術論文は世に出していますが、
69歳で初めて書いた小説がこの著作。
年齢を重ねても新しいことに挑戦したいですね。

”おとしよりのモグラはきまっていうよ。こわがらずに、夢をおえばよかったって”

舞台は広大な湿地帯。
一人の青年の死体が発見されたところから始まりますが、
それを検証する現在と、10数年前、湿地帯の中の一軒家で家族に取り残され、
学校にも行かず一人生きていく少女の成長経過が交互に出てきます。

ストーリーとしても緻密なミステリーになっていますが、
専門家の著者が描く湿地帯の風景や生き物の生態がさすがに丁寧です。


ブルックリン・フォリーズ (新潮文庫)
ポール・オースター
新潮社
2020-05-28
紹介者:M.Sさん



紹介者:N.Hさん


新 謎解きはディナーのあとで
東川篤哉
小学館
2021-03-31
紹介者:S.Sさん


紹介者:S.Sさん

紹介者:S.Sさん

紹介者:Y.Aさん


のんびり生きて気楽に死のう
ひろ さちや
PHP研究所
2013-12-20
紹介者:Y.Aさん


本所おけら長屋(十六) (PHP文芸文庫)
畠山 健二
PHP研究所
2021-03-24
紹介者:Y.Aさん


キネマの神様 (文春文庫)
原田 マハ
文藝春秋
2013-07-12
紹介者:K.Oさん


女のいない男たち (文春文庫)
村上春樹
文藝春秋
2016-10-07
紹介者:K.Oさん


紹介者:S.Mさん


紹介者:S.Mさん


紹介者:S.Mさん


格差社会―何が問題なのか (岩波新書)
橘木 俊詔
岩波書店
2006-09-20
紹介者:S.Mさん


不平等社会日本―さよなら総中流 (中公新書)
佐藤 俊樹
中央公論新社
2000-06-01
紹介者:S.Mさん

ふたりぐらし(新潮文庫)
桜木紫乃
新潮社
2021-02-27
紹介者:管理人A


桜木紫乃の新刊。
今までの桜木紫乃の作品とは、少し趣が違う。
今までの桜木紫乃の作品は、私があまり経験することのない社会が多かったが、
この本は、ごく平凡な男女が幸せを求めて、二人暮らしを始める話。
夫と妻の視点で、交互に細やかな日常生活が描かれる連作小説。


天子蒙塵 1 (講談社文庫)
浅田次郎
講談社
2021-05-14
紹介者:管理人A

「蒼穹の昴」シリーズの第5部で、全4冊。
愛新覚羅溥儀の波乱万丈の人生が、側室の話で語られる。