皆様、お久しぶりです。
今日は2か月ぶりの「栞の会」でした。
コロナの緊急事態宣言が発令された中、
初めての自宅からZoomを使っての「栞の会」です。
慣れないZoomでの「栞の会」、最初少しもたついたものの、
楽しい時間を過ごすことができました。
さて、ご報告です。
17世紀のオスマン帝国と20世紀のドイツ帝国を、時空を越えて生きた二人の若者の数奇な運命を追った一冊。
正に皆川博子ワールドです。
面白いと思った方には、『開かせて頂き光栄に存じます』の三部作もお薦めです。
20年近く前の作品ですが、古さを感じさせません。
平凡な主人公の人生が、小さな事件を切っ掛けに思ってもみなかった方向に展開していきます。
ささやかな幸せを懸命に守ろうとする主人公達、幸せにしがみ付こうとすればする程転落していく人生。
普通の人達だったはずなのに
彼らの行き着く先はどこなのか?
読み始めたら止められない、ノンストップの面白さです。
紹介者:Sさん
芦田愛菜ファンの私は、彼女の主演で映画化されたと知り読み始めました。
芦田愛菜ファンの私は、彼女の主演で映画化されたと知り読み始めました。
語り手が子供の作品は苦手なのですが、この作品は抵抗無く読めました。
主人公は中学3年生、いたって普通に見えます。
しかし、両親はあやしい新興宗教にのめり込んでいて、姉はそんな両親への反発から非行を繰り返しています。
家庭は崩壊寸前?
でも、両親の信仰は病弱だった主人公を救いたい一心で始まったものだから
私は映画を観ていないのですが、愛菜ファンとしてはミスキャストのような気がします。
映画をご覧になった方がいらしたら、感想を是非伺いたいです。
お二人の「時をためるくらし」は、コロナ禍の私の憧れ。
5年程前の本ですが、引っ張り出しては眺めています。
日野啓三が著書の中で上記が出版されたとき、「自分にはあんな本は書けない」
と言っていたので読んでみました。
池澤の著書はエッセイや評論など新聞に出ているものは目を通していましたが、
きちんと読むのは初めてでした。
理数系の方なのですね。
ものの見方が数学、物理的で私の関心度から少しずれています。
私の知識と関心の弱さのせいか、知識のご披露が鼻について出っぱりの人と感じられ、
須賀敦子のフランスのシャトー巡礼やサンフランチェスコ教会への思いについても
「理解できない」という風に書いていたことを思い出しました。
日野が自分には書けないと言ったのもそんな、自分の見方を絶対視する、
相容れないものを簡単に切ってしまうところにあるのかなと思いました。
池澤の著書は「スティルライフ」を始めいくつか手にしましたが、
もっと読んでいくと共感するところが出てくるのかもしれません。
NHKの「100分で名著」で吉本の「共同幻想論」が取り上げられ、
学生時代に流行してほかにもいくつか購入し、
難しくて読み切れずそのまま置いてあったと本棚から取り出し読み始めましたが、
やはり途中で挫折、<あんちょこ>にすがることにしました。
吉本が亡くなって1年過ぎてのそれぞれの講演と二人の対談です。
吉本がどのような行動をし、著書を書いてきたのか?
どういう思考スタイルで何を目指しどこに行こうとしていたのか?
その根源はどこにあるのか?
実に明確に吉本隆明が理解できました。
本当の著書が読み切れない私には宝です。
吉本が最後に行きついたテーマが親鸞だそうで、
加藤典洋・高橋源一郎が上記で取り上げ、薦めています。
東北大震災が起きて4か月後、糸井重里が聞き取りをした、
したがって口語の分かりやすい本です。
こんなに簡単な言葉で言えるなら著作も難しい言葉で書いてよと思いました。
常に目線を巷(普通の人)に置き、世論が一方向に傾こうとした時、
必ず水を差し、そのたび自分の思想を強固なものにしていった、
従って敵を多く作った吉本が、自分と親鸞を一体化して理解しようとしています。
ただ、わかりやすいのですが、論理がワープするのです。
なぜそこに行くのか?吉本に聞いてみたいところがいくつかありました。
宗教という難しさ?仏教の難しさ?<あんちょこ>に頼るのではなく、
「教行信正」や「歎異抄」を読めということなのかもかもしれません。
Nさん
大作を読まれている最中だそうです。
大作を読まれている最中だそうです。
読後感は、読了してからとのことですが、途中経過報告を。
この本は、高校生の時(約70年位前、新潮社・・訳者は忘れましたが
10巻以上のシリーズ)を友人仲間で競って読んだ記憶があり、
その後、ずっと忘れていましたが、
電子書籍に光文社から、(高遠弘美訳で現在6巻)が入り、
その2巻を読んでいたところ、岩波文庫から吉川一義訳が14巻(2019年)
完訳になって出版され、新聞などで取り上げられ、読みやすいとのこと、
こちらに変えたところです。
そんなわけで、ご紹介するにはまだまだ相当の時間がかかりそうです。
ただ、確かに吉川訳が読みやすいと思います。
3年前、評判になったご存知の本ですが、当時は身内に読み手が待っていたので、
大急ぎで読み、後でゆっくり読み直したいと思っていたので、
本が返って来て、読み始めた次第です。
現在は下巻の始め、自然の法則のところですが、宗教について、この様に興味深く、
そしてわかり易く論じる書を始めて読みました。
その他もとても興味く、出版当時、世界的にベストセラーになったのも頷けます。
その他もとても興味く、出版当時、世界的にベストセラーになったのも頷けます。
コナン・ドイル、アガサ・クリスティーなど沢山の作品があり、
よく知られていますが、この作者が最近、最も評判の高い作者との評を読み、
早速購入し、読み始めたところです。
私、クリスティに昔からとても興味を持っていて、殆どの作品は読みましたし、
DVDも殆ど持っています。
この作品、まだ読み始めたばかりですが、ミステリーというよりホラー小説に近いようで、
あまり私好みではないようにおもいます。
村田 沙耶香
文藝春秋
2018-09-04
紹介者:Aさん
紹介者:Aさん
コロナの為、家に居る時間が増えました。
お陰で、歴史小説ばかりでなく、今話題の本を読んでみました。
そのなかで一番心に響いた本が「コンビニ人間」です。現代の日本社会で、暗黙に要求される『普通の生き方』
そこから少し外れた女主人公が、社会の同調圧力の中で、
「コンビニのアルバイト」が、天職と、確認するお話です。
昔から少しも変わらない『ムラ社会』の日本の現実
21世紀になっても変わらない?
上野公園のホームレスの人々のお話。
彼らも昔は家族も居て家も在った。
初めから、段ボールやブルーシートで暮らしていたのではない。
主人公は生活の為、東北の故郷を離れて都会に、出稼ぎに来ていた。
そんな時1人息子が21才で突然死してしまう。
不運は更に晩年になっても、、、思わず涙が出て、、
4歳愛娘を教え子に殺された中学教師の告白から始まるお話。
犯人である2人の男子中学生の悲しい境遇と衝撃的な結末。
一気に読んでしまいました。
Mさん
放送大学の卒論でお忙しかったようですが、
無事にご卒業、おめでとうございます!
さらに、お勉強を続けられるとのこと、頑張ってください。
第152回芥川受賞作