今日は、3月3日お雛祭りです。
昨日は22度と4月下旬の気温、今日は2度で、小雪が降る日1日でした。
明日は今日よりも多い積雪がある予報です。
気温の変化が激しく、皆さま体調にお気をつけてお暮らしください。
2月の「栞の会」は管理人体調不良で、アップも今頃になり、失礼いたしました。
Y様より記録を戴いておりますので、それを掲載したいと思います。
記録を見ていますと、面白そうな本がずらり。
皆様のお話を聞きたかったなぁ、と思いました。
紹介者:A.Nさん
政治家の総理大臣着任時の演説、開戦に当たっての所信表明、
総理にならなかった人は選挙前の演説等が抜粋して紹介され、著者の解説が付いています。
演説(新聞)そのものを読ませることにより太平洋戦争の実像に迫る、そんな手法です。
昭和3年の普通選挙が始まる前の年に田中儀一が選挙に向けての意義について語るところから
鈴木貫太郎が戦争終結のために総理になる所信表明演説までが掲載されています。
戦争になるのは避けたかった、けれど誰がやってもそのすべがなく、
刻々と臨戦態勢に入っていき、最後は無能と知りながら東条英機に丸投げして開戦、
1944年7月小磯国昭総理に任せたものの約9カ月で解散、
壊滅状態を認識してもぐずぐずと終戦に踏み切れず、
最後には老齢の鈴木貫太郎を引っ張り出して
軍部の反対を押し切ってポツダム宣言受諾、
やっと終戦、流れが実感できました。
著者の解説が若干ステレオタイプだとは思いましたが。
天皇も政府も、軍部の暴走で自分の身が危なくなるのを恐れてはいますが、
それよりも恐れていたのは国民の無知による暴動だった。
今になって戦争回避のためにアメリカの提示する条件を呑もうと国民に提示しても、
何を今さらと暴動が起きるだろうという諦めで開戦したのです。
命を懸けて国民を説得する時間と勇気がなかったのは悲しいです。
国民には命をかけて戦えと言っているのに。
戦争に突入していく怖さはよくわかりました。
マスコミの役目は本当に重大だと思いました。
国民にありのままを伝えようとする姿勢と努力が大事ではないかと思いました。
国民を喜ばす情報ではなく、マスメディアとしての使命を自覚し、
常に論戦を交えることが出来るための情報を掲載していく。
斎藤隆夫(立憲民政党)は昭和前期で最も気骨ある政治家ということだったそうですが、
15年2月に行った「反軍演説」=日中戦争勃発直後、が素晴らしいですから
機会があったらお読みください。
もちろん彼は太平洋戦争中は発言を封じられていました。
「それでも日本人は『戦争』を選んだ」に続く主に高校生を対象に行った講義の第二弾です。
第一弾より実に細かく難しい資料を読み解いていく根気のいる授業で、
著者と講義について発言をしながらついて行った生徒たちに、
「頭がいい人は根気もあるのだなあ」と感心、
私は途中から拾い読みに変わり読了(?)となりました。
拾い読みの中で最も私が関心を持ったのは、開戦前の天皇とまったく相反する立場の
尾崎秀実(ゾルゲ事件のスパイ)の国民観が一致しているということです。
どちらも、満州事変の時から正しいことを知らされなかった国民に、
今更経済的に開戦は無理と言っても国民は納得しないだろうと言っているのです。
尾崎は、屈服が正しい選択だったとは国民は負けた後でなければ
認めないだろうと語っています。
天皇は、国際連盟脱退も日独伊三国軍事同盟締結のときも、
自分は平和のためだと詔書を出したのに
国民は英米に対抗するためだと思い込まされている、
と日米交渉が難しくなってきた41年に内大臣の木戸に向かって嘆いています。
今は天皇の詔書や政府の刊行物はすべて新聞に載っている。
それをよく読んで扇動に走らない人間になること、そのための教育、
それを目指して著者は学者として講義している、行動する学者だと思いました。
最後に、なぜマッカーサーは天皇制を廃止しなかったのか?
経済的な面で天皇を利用する方が得策だと考えたとありますが、
共産国との本当の戦いが始まると見たからなのでしょうが、
ここをもっと詳しく聞きたかったです。
宗教=神が天を差配している(名指しはしていませんがキリスト教に決まっています)、
という観念が強くなると神の存在を求めたくなり、
ではどこまで差配しているのだろうか?と調べたくなる。
そうやって多神教のアリストテレスが考えた天動説を越え、
ガリレオガリレイの望遠鏡の発明以来、実証を伴った研究となっていき、
さらなる天体観測機器の発達向上により、
神の居場所は今や数キロメートルの大きさから
観測可能な138億光年の宇宙の地平線へと広がった。
では神の存在はどこか分かったか?
それが今もってわからず、机上学の方も素粒子理論や重力理論が複雑になり
手が込んできて著者がもうついていけないほどの体をなしている。・・・
「ほとけは常にいませども うつつならぬぞあはれなる、
人のおとせぬあかつきに ほのかに夢のみえたまふ」、
御年80歳の著者は、大好きな梁塵秘抄の言葉で本書を始めています。
今でこそ天体学はしっかりと分野として根付き研究者も膨大になっているそうですが、
始めは引退した物理学者の手慰みの学問だったのだそうです。
本書も著者が余裕をもって手慰みに楽しんで書いていると思われます。
私は、細かい天体の話や数式はついていけませんから飛ばして読んだのですが、
全部理解して読んだとしても「うつつならぬ」内容だったに違いありません。
読後はほのかな夢から覚めたようでした。
もっとも、物理学者や天文学者は東西を問わず
こんな心構えがないとやっていられない学問なのかもしれません。
でも、こんな歌など歌って終わっていたから
日本は天文学が発達しなかったのだとも思いました。
現在の学者は神を心に抱いて研究をしているのでしょうか?
母親のような温かみのある文章、
丁寧に書かれていて中・高校生くらいに分かりやすく語られた講義のよう。
同じことを繰り返して書いていると思いましたら、
「トイビト」に毎月書かれたものを纏めたとあとがきにありました。
発行は1924年8月10日、なんとこの著者1936年生まれなので88歳です!
「人類はどこで間違えたのか?」答えは狩猟時代から農耕時代に入った時だそうです。
それまではみな平等で、感謝の気持ちを持って動物や草木を食べる量だけとって
分け合って食べていたのに定住を決めてから人口も増え、争いごとが多くなり戦いへ。
著者は生命科学者ですから書いていることは最初の方はなかなか難しいです。
近代科学によって新たに登場したゲノム研究(全遺伝情報)、
それによってヒトの命は40億年前の生命の誕生から今もって繋がっている、
細菌も生きているもののDNA はみな同じで、
「私たちは生き物の中の私」である。
そこで提唱されたのが「生命誌」という学問で「私たち生き物の中の私」を探る学問です。
そうなると幅広い知識と実践が必要となったようで、
本書は幅広い分野にわたって深く「生命誌絵巻」を繰り広げます。
そして、本来歩き始める道を選択しそびれたのだから
「生きものである人間の本来の道を探す=土の大切さ」にたどり着きます。
その地にあった農業、地産地消の提唱です。
読みながら狩猟時代を美化しすぎ?
と思いましたが、そうではないらしいです。
長年の研究で、もちろん助け合うためにリーダー格はいましたが
戦争はなかったそうなのです。
人間は誕生した時から論争、闘争が好きで好戦的なDNAが組み込まれていると
思っていた私には、人間の歴史で戦争がない時代の方が
ずーっと長いなんて夢みたいです。
88歳の著者が最後に、今の時代がとても心配だと書いているのが身に沁みました。
戦争を生き延びて、何とか戦争のない国へと学問をし実践してきた老人に、
今もってそんな気持ちを抱かせる進歩しない頭脳を持ったヒトとは何なのでしょう?
和光・三越・木村屋が立ち並ぶ銀座中央通りの歩行者天国が舞台で、
アンデルセン童話の人魚姫の王子が、
王子そのままの素敵なコスチューム(もちろん顔も姿も美しい)で現れ、
人魚に逃げられた、と騒いでいる。
テレビ局がインタビューしSNSでも騒がれる。
その王子をタイミングよく登場させて、
職業も置かれた状況も違う主人公たちが作者お得意のオムニバス形式(5章)で、
恋について、親子関係について、夫婦関係について葛藤と和解が語られます。
この作者の本はいつも読者に幸福を呼び込んでくれます。
少し見方を変えれば、相手にきちっと確かめてみれば、
日常のさりげないところに目を配れば、悩みも迷いも解消される、
それを作者はいつも思いながら著していると思います。
とても啓蒙的な方で優しい方なのだと思います。
でも何冊も読むと彼女のしつこいほどの言葉=文章に少し辟易してきたかな?
そこまで丁寧に言ってくれなくても分かるわよ、と言いたくなった私でした。
エピローグを読むと彼女が銀座を舞台として
ファンタジーな世界を作りたかったのが分かります。
私たちが小説の中に吸い込まれるのではなく、
小説の中の人物が私たちの世界にやってくる、
この発想は素敵な試みだと思います。
そんな素敵なお話なのに読後はうっとり感はあまり余韻として残りませんでした。
あら、作者の声が聞こえてきました。
「銀座ってそんなに素敵なところ?
昔から金持ちも貧乏も、独り身もファミリーも、若者も老人も、
白人も黒人も銀ブラしてた。
今中国人多いわよ。ユニクロだってある。
銀座はすべてを飲み込んでくれる今ある人間のるつぼのはず。
そんな人間の世界に王子を飛び込ませたかったのよ。見方変えてみて。」でした。
紹介者:A.Nさん
紹介者:A.Nさん
紹介者:A.Nさん
紹介者:A.Nさん
紹介者:M.Hさん
紹介者:M.Hさん
紹介者:M.Hさん
紹介者:A.Oさん
紹介者:A.Oさん
紹介者:A.Oさん
紹介者:A.Oさん
紹介者:M.Kさん
紹介者:M.Kさん
紹介者:M.Kさん
紹介者:M.Sさん
紹介者:M.Sさん
紹介者:M.Sさん
紹介者:T.Yさん